おはようございます!ちーたらのママです。
夏休み、子どもと過ごす時間が増えたり、家族で楽しくレジャー旅行!のはずが出先で子どもがワガママを言い始めたときなど、ついイライラして子どもを叱ってしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
私も以前、お出かけ先でちーたらの「どうして〜してくれなかったの?」攻撃が始まり、疲れがピークに達していたこともあって、つい「もうその話はおしまい!」ときつく言ってしまい、さらにちーたらが不機嫌になるという悪循環を経験しました。
でも叱ってもお互い良い気分にならないですし、むしろ叱ることは子どもにとって悪影響な気もします。そんなときに、ふと先日購入した『改訂版 叱らない子育て』という本のことを思い出して、改めて読み返してみました。
今日はその内容をご紹介しながら、親子ともにハッピーになる、叱らない子育てについて考えてみたいと思います。
「叱らない子育て」とは
今回私が参考にした本はこちらです。
著者は『嫌われる勇気』で有名な岸見一郎氏。ご自身が子育てに悩んだ時期にアドラー心理学と出会い、そこからアドラー心理学をもとにした対等な親子関係からなる「叱らない子育て」について書かれています。
ついカッとして怒るのではない
私たちは子どもを叱ったとき、本当は怒るつもりじゃなかったけど、「ついカッとなって怒ってしまった」と思うことが多いのではないでしょうか。私はいつもこのパターンだと思っていました。
しかし本書によると、怒りをはじめとした感情は抑えることができないものとは考えておらず、怒りを親のいうことを聞かせようという目的のために使っているというのです。自分ではそのつもりがなくても、親のいうことを聞いてほしい、聞くべきという思いが表れているということですね。
そして怒りは”人と人を引き離す感情”だと書かれています。叱ることにより、子どもとの距離が遠くなってしまうと、本来親が親が行うべき「子どもを援助する」ということができなくなるというのです。たしかに、自分のことを叱ってばかりいる人を好きになったり、心からその人のいうことを聞こうとはなかなか思えないですよね。
叱るのではなくお願いすることを教える
では、普段叱っているような状況になったとき、私たち親はどうすればよいのでしょうか。
本書によると、「お願いすることを教える」のだそうです。具体的には、「〜してくれませんか」「〜してくれると助かる(嬉しい)んだけど」と、疑問文や仮定文にして相手に断る余地を残すことが大切とのこと。
「〜しなさい」という命令形は上下関係を前提としているのに対し、お願いは本書で重視されている、”大人と子どもは対等である”という前提に基づいています。たしかに、私たちが普段周囲の人と接するなかで、命令形を使って話すことはあまりありませんよね。子どもを自分と対等な存在だと考えていれば、自ずと命令ではなく、お願いという形で会話をすることになるのか、と納得しました。
今回紹介している本は、本屋で2人で選んだ本ということもあり、僕も読みました。
そこで、パパ目線で感じたことも併せてコメントしたいと思います。
≪パパの感じたこと≫
- 大人と子どもは対等
「叱るのではなくお願いすることを教える」と聞くと、「本当にそんなやり方で子どもが言うことを聞いてくれるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。僕自身、この部分を読んだときは少し違和感を感じました。
でも、よくよく考えてみると、それは自分と子どもが対等ではなく、(無意識のうちに)自分が子どもを下に見ているからだと気づかされました。
本書でも述べられているように、親とはいえただ単に子どもより先に生まれたにすぎず、大人と子どもは対等であると考えれば、一方的に叱ったり命令したりする関わり方は適切ではないと思い知らされました。
- 毅然とした態度で子どもと接する
また、著者は、子どもを叱らない=子どもを放置して良いと言っているわけではありません。電車の中など公共の場で大声を上げるなど他人に迷惑を掛ける行動を取ったときには、”毅然とした態度”でその迷惑行動をしてはいけないことを伝えなければならないと述べています。
親も人間ですから、子どもの言動に腹を立てたり、それ以外の原因(仕事のストレスなど)でイライラしてしまうこともあります。
でも、そうした感情を子どもにぶつけたとして子どもとの関係がうまくいくはずないですよね。これも大人と子どもが対等であると考えれば、当たり前のことだと思います。
それに、僕は、子どもは大人が思っている以上に大人の言っていることを理解することができると信じています。子どもが問題行動(大人がそう決めつけているだけかもしれませんが)を取ったときも、その行動の何が問題かをきちんと説明すれば、子どもも十分理解するはずです。
”大人と子どもは対等である”、ときには”毅然とした態度”で子どもと接するということは、これからも強く意識したいところです。
叱らないし、ほめることもしない
そして本書では叱らない子育てだけでなく、「ほめない子育て」の重要性についても書かれています。叱らないというと、ついほめる方を考えてしまいがちですが、ほめる=評価するという行為は縦関係が前提となっており、子どもを自分より下の存在だと考えていることによるとされています。
前述の通り、親と子どもは対等な関係ですから、ほめる必要はなく、喜びを共有することが大切なのだそうです。
子どもを対等な存在として、尊敬し信頼して接すれば叱らなくていいし、ほめなくてもよい。その代わり、親である私達に「子どもたちを勇気づける」ことを勧めています。
≪パパの感じたこと≫
- 課題の分離
そもそも、どうして大人は子どもの言動を叱ったりほめたりしてしまうのか。
本書の「課題の分離」という章を読み、大人が子どもの課題に介入しすぎることが、大人が子どもを叱ってしまう原因になっていると気づかされました。
わかりやすいのが本書でも取り上げられている子どもの勉強の例。
親はつい「勉強しなさい」などと子どもを叱ってしまいがちですが、子どもが勉強をしないことで悪い成績を取ってしまったり、希望する進路に進めなかったりするのは、本来、大人の問題ではなく子どもの問題のはずです。
そうであるにもかかわらず、大人が子どもに口出しをしようとするから、「親が子どもを叱る⇒子どもが反発して行動を改めない⇒また親が子どもを叱る…」という悪循環に陥ることは容易に想像できます。
冷たいように聞こえるかもしれませんが、子どもの問題は子どもの問題と割り切って、親は、子ども自身が「やらなきゃ」と思うときまで暖かく見守る(もちろん援助を求めてきたときは手を差し伸べる)しかないのですね。
僕自身、ちーたらがまだ勉強をする年齢になっていないこともあって、この「子どもの問題に口出ししない」という筆者の主張には共感を覚えるのですが、いざちーたらがまったく勉強をしなかったときにどう対応するのか、未知数のところがあります。そのときには、改めて本書を手に取りたいなと思います。
子どもを勇気づける
本書のポイントである「子どもを勇気づける」とはどういうことなのでしょうか。
これについては、子どもが自分の人生の課題に取り組めるよう援助することと書かれています。ここでいう「人生の課題」とは対人関係のことを指しており、人は誰もが一人で生きていけない以上、対人関係を避けることはできず、そのために私たち親が援助をする、というのです。
そのために日ごろから子どもの行動ではなく、存在に注目し、子どもがありのままの自分を受け入れられるようになること、そうして自分に価値があり、自分のことを好きだと思うことができれば、人生の課題にも取り組めると書かれています。
まとめ
普段育児をしていると、つい親が子どもに対して何かをしてあげるという上下関係で捉えてしまうことがありますが、本書を読んで、子どもとは対等な関係であることを意識して普段から接することが重要であると感じました。
何年も続く子育てのなかで、叱ったりほめたりすることは、親にとっては日常の一コマかもしれませんが、それが積み重なっていくことで親子関係や子どもの人生に影響が及ぶとすれば、一つ一つの言動に注意を払うことが、親としての責任ではないかと考えさせられる内容でした。
「子ども達との関わりのなかで実践してこなかったことは一つも書いていません」といわれているように、日々の子育てのなかで実践できるコツがたくさん詰まっていますので、気になる方はぜひ読んでみてください!
≪パパのコメント≫
本書を読んでいたのとちょうど同じ時期にAudibleで石田勝紀著『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』という本を聞いていました。
同書にも、本のタイトル通り、子どもを叱ることのデメリットや子どもを叱らないための対処法などが紹介されていますので、よろしければこちらも手に取ってみてください。
同書の感想については、下記Twitterをご覧ください。
私たち自身のこと、私たちの実践しているチーム育児のことについては、こちらの記事もご覧ください!
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