リスキリングについて考える

リスキリング 学び

こんにちは!ちーたらのママです。

先日、一般社団法人 ぷちでガチが主催している”子連れMBA”のイベント【ちゃんと続けるリスキリング|経営学者YouTuber 中川 功一先生×子連れMBA運営 ヤギヨウコ 】に参加しました。

今日はそこでの気づきも踏まえて、最近何かと話題のリスキリングについて考えてみたいと思います。

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リスキリングとは

リスキリングについて、2021年に経済産業省が発表した資料(URLはこちら)によると、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」とされています。

またリスキリングと似た言葉として「リカレント教育」がありますが、リカレント教育は「働く→学ぶ→働く」のサイクルを繰り返し、学ぶために一旦離職することが前提となっていることから、リスキリング≠リカレント教育であるとしています。

ちなみに、こちらの資料によると、個人の関心に基づく単なる学び直しをリスキリングというのではないとされていますが、個人的には学び直しもリスキリングの一つと捉えて良いのではないかと考えています。理由としては、仕事に直結しなくても、様々な角度で学ぶことで、長い視点でみたときにキャリア形成の役に立つ要素が少なからずあるのではないかと思うからです。

リスキリングが注目されているわけ

リスキリングの先駆者として挙げられるのが、米国の通信事業者AT&T社です。

2008年に同社が行った社内調査では、従業員25万人のうち、事業に必要なスキルを持つ人は約半分に過ぎず、約10万人は10年後には存在しないであろうハードウェア関連の仕事に従事しているという衝撃的な事実が明らかになったそうです。

その後2013年に、2020年までにどのようなスキルセットが必要なのかを特定し、そのスキルニーズに、現状のスキルセットから移行するためのプログラム【ワークフォース2020】を立ち上げ、社員のリスキリングを実施したとされています。

第4回 リスキリングの先駆者は何に取り組んだのか|研究プロジェクト|リクルートワークス研究所
リスキリングの先駆者とされるのが米国のAT&Tです。米国企業史上、最も野心的と言われる同社のリスキリングへの取り組みを紹介します。

その後、アマゾンやウォルマートといった世界的大企業が社員のリスキリングに注力し、世界経済フォーラムの年次総会(通称ダボス会議)でも「社会と仕事の未来」のテーマに関連して、『リスキリング革命(Reskilling Revolution)』が発表されました。
『リスキリング革命』とは、第4次産業革命に伴う技術の変化に対応した新たなスキルを獲得するために、2030年までに10億人により良い教育、スキル、仕事を提供するというイニシアチブです。

こうした動きから、世界的にもリスキリングという言葉に注目が集まっています。

日本におけるリスキリングの現状

先ほど紹介したように、アメリカでは約15年も前にリスキリングの考えが登場していたようですが、日本においてリスキリングという言葉をよく耳にするようになったのは、この1~2年のことのように思います。特にDXを日本企業各社が推進するようになったタイミングで、リスキリングについて取り上げられる機会が多くなったのではないでしょうか。実際に日本の大手企業各社はDX人材の育成を目標に掲げることと併せて社員のリスキリングに着手しているようです。

しかし、上記のイベントに登壇された中川先生によると、「リスキリングがこれほど盛り上がっているのは日本くらいで、諸外国ではさほど注目されていない」のだとか。
というのも、諸外国においては、わざわざリスキリングという言葉を持ち出すまでもなく、個人が自発的に学習をするという習慣が既に浸透しているからだそうです。
実際自己啓発という観点においては、残念ながら、日本は【企業は人に投資せず、個人も学ばない】ということが次の調査結果からも明らかになっています。

引用元:https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/20220531_1.pdf(経済産業省 未来人材会議)

自己啓発を行わない理由としては、正社員では男女ともに「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」の割合が最も高く、次いで男性では「費用がかかりすぎる」、女性では「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」となっています。

引用元:厚生労働省 労働経済の分析:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/21/dl/21-1-2-4_02.pdf

実はこの労働経済の分析という資料、国家資格キャリアコンサルタントの試験にも頻出であるため、昨年の受験時に読み込んだのですが、結構衝撃的でした。

終身雇用の時代が終わりを迎え、人生100年時代といわれるなか、会社が提供する研修を受けているだけで、この先必要なスキルを十分身に付けることはできなくなってきています。自己啓発=意識高い系の人だけが取り組むものという印象を持っている方も多いかもしれませんが、今後の人生を自分らしく生きていくためにも、自己啓発は必要不可欠だという意識に変えていく必要があるように思います。

これから何を学べばいいのか

とはいえ、何を学べばいいのかとっさには思いつかないという方も多いのではないでしょうか。
その際、参考にしていただきたいのが【カッツモデル】という考え方です。あまり馴染みのない方も多いかと思いますが、実は企業における階層教育の多くはこのカッツモデルをベースに作られています。

カッツモデルは「トップマネジメント」「ミドルマネジメント」「ロワーマネジメント」の3階層からなり、各階層において次の3つの能力をどの程度身に付けておけばよいかが階層化されています。

<カッツモデルにおける3つの能力>

コンセプチュアルスキル
:論理的思考(ロジカルシンキング)、批判的思考(クリティカルシンキング)、水平思考(ラテラルシンキング)

ヒューマンスキル

テクニカルスキル

この3つの階層と3つの能力は、ロワーマネジメントではテクニカルスキルのウェイトが高く、トップマネジメントではコンセプチュアルスキルのウェイトが高いという関係にあります。

今後、仕事上でどのようなキャリアを歩みたいのかを考えてみると、そのためにどのカテゴリの能力を身に付けるべきかも見えてきますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

リスキリング・学び直しはいくつになってからでも遅いということはありません。
思いついたら調べてみる、まずは行動してみるということが大事なのではないでしょうか。

また自分のキャリアについて考え、学ぶことで、新たな人脈形成にもつながります。そうした人とのつながりが、今後の人生をより豊かで楽しいものにしてくれるのではないかと考えています。

来年から新たなことにチャレンジしたいと思っている方も目標設定のために、まずはいろいろと調べてみるのもいいですね。今日のこの記事がそのあと押しになれば幸いです。ではまた来週♪

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