こんにちは!ちーたらのパパです。
メーカーで働くようになってから、お昼休みやスキマ時間に読書をするようになりました。
このブログでも、僕が読んだ本の紹介とそこから得られた気づきなどを紹介していきます!
今回紹介する本はこちら!
あらすじ
本書は、子どもの「話す力」の向上を目指す一般社団法人アルバ・エデュを運営されている竹内明日香さんの著書です。
この本では、竹内さんが今まで実践してこられたプレゼン授業を基に、
- なぜ「話す力」が必要なのか
- 子どもたちが「話す力」を身に付けるために、子どもたちやその親はもちろん、社会に属する大人一人ひとりは何ができるのか
が紹介されています。
先日、ママが参加していた「チェンジ・メーカー・チャレンジ」を運営している子連れMBAのイベントで、竹内さんが登壇されていたことをきっかけに本書を購入、僕も手に取ってみました。
「チェンジ・メーカー・チャレンジ」については、こちらの記事もご覧ください。
本書から得られた気づき
本書を読んで特に印象に残ったポイントを3つご紹介します。
①年を重ねるごとに意見を言えなくなる子ども
一番印象に残っているのは、自分の意見を言えない子どもが一定数いることについて言及された箇所です。そこでは次のように述べられています。
多くの教育現場を回るなかで、ある共通の課題が見えてきました。それは、子どもたちが一定の世代以上になると、自分の意見はどこかに置き去りにして、「正解はなんだろうか?」と不安そうな目で探り求めるようになってしまうことです。
幼い頃は、自分の意見や感じたことを素直に言っていたはずなのに、年を重ねるにつれて周りの大人の顔色を伺って自分の意見を言えなくなってしまう。
もちろん子どもの性格や特性は様々ではありますが、周囲の大人や社会のせいで子どもが自分の意見を秘めてしまっているのだとすれば、悲しいことですし、大人の一人として責任を感じました。
この点については、僕自身、事務所時代にプロボノ活動の一環で行っていた法教育(※)という活動の中で感じたことがあります。
※法教育とは、「法律専門家ではない一般の人々が、法や司法制度、これらの基礎になっている価値を理解し、法的なものの考え方を身に付けるための教育」のことです(法務省による定義)。
それは高校生と中学生を対象とした体験イベントに運営スタッフとして参加したときのことです。
高校生・中学生に、紛争の当事者と調停委員という紛争の仲介役を体験してもらうという企画で、商店街での路上ライブを題材に双方の当事者の意見を聞きながら解決策を見出していくというものでした。
中学生からは、運営側の弁護士も想定していなかったような独創性のある回答が次々と出てきて、僕自身も「なるほど!」と感心する場面がたくさんありました。実現可能性があるかどうかは別ですが(笑)
他方で、高校生の方は、もちろん活発に意見交換をしてくれたものの、参加した生徒の中には、運営側が準備しているシナリオを察知したのか、「ここって私が折れた方がいいんですよね…?」とファシリテーター役の弁護士に聞いてくるという場面が見られました。
イベントの性質上、一つの解決策を導き出す必要があったことも影響したのだろうとは思いますが、子どもは、年を重ねるにつれて、大人の考えていることを敏感に察知するようになるのだなと感じた出来事でした。
もうすぐ4歳になろうとしているちーたらは、今はその時々に感じたことを何でも話してくれています。
それでも僕たち親の目を気にして自分の思いを言いにくそうにしているなと感じることがあったり、保育園では先生や周りのお友達を気にして家とは違った顔を見せていたりと、やはり大人の顔色をうかがっているのかなと感じることはあります。
それはそれで成長した証だとは思うのですが、親としては、ちーたら自身の思いや感じたことを大事にしてもらいたいと感じています。別の記事でも少しお話しましたが、僕のように、大人になってから自分の好きなことがわからなくなるなんていう事態を避けるためにも、親として、ちーたら自身の思いを尊重する関わり方をしていきたいと感じているところです。
②学校の雰囲気は先生次第
本書では、「話す力」が重要であることが繰り返し述べられる一方で、現在の教育制度上は、子ども達にそれを身に付けさせることは難しいという厳しい現実が述べられています。
特に、”同じ自治体のなかでも学校によって雰囲気が異なります。異動によっていろいろな学校を回る公立の先生方にうかがうと、学校による雰囲気の違いの根本にあるのは校長や管理職の言動だとおっしゃいます”という記述には考えさせられました。
自分自身の学校生活を振り返ってみても、毎年、担任の先生が変わるたびにクラスの雰囲気が変わったという記憶があるので、「学校によって雰囲気が異なる」ということ自体は特に驚きはありません。
衝撃だったのは、4万人以上の子どもたちにプレゼン授業を行ってきたという著者いわく、1980年代ごろの校内暴力を経験し、現在校長や管理職になっている教員の中には、「生徒に自分の意見など持たせたら恐ろしい」などと言う考え方を持った教員が少なからずいるということです。
膨大なカリキュラムをこなすためには、大人しく先生の言うことを聞いてくれる生徒が良い生徒だという考え方も合理的なのかもしれませんが、先生が答えのある問題を一方的に解説するという教育のあり方が今も続いているとすれば、違和感を感じざるを得ません。
このようなことを考えると、ちーたらが小学校に入学するときの学区選び・学校選びが今から不安に感じ始めました…。たとえ評判の良い学区・学校だとしても、校長や教員の異動によって雰囲気が変わってしまうとなると、どうすればいいのやら…。
もちろん、著者も述べているように、教員の中には子どもの将来を考えている意欲的な方もたくさんいらっしゃるとは思いますし、そもそも、教員の方は授業以外の雑務に忙殺されているという過酷な労働状況があることも理解できるのですが、親として、一人の大人として、少しでも教育制度が良い方向に変化していくことを願ってやみません。
③プレゼンは、考える力>伝える力>見せる力
著書の竹内さんが運営されている一般社団法人アルバ・エデュは、子どもたちにプレゼンの授業を提供されています。そのため、本書でも、実践的なプレゼンのやり方が紹介されています。
恥ずかしながら、僕自身プレゼンのことを体系的に勉強したことはなく、先輩や前任者が作ったプレゼン資料・研修資料をベースに資料をカスタマイズして本番に臨むというやり方をしていたため、本書で紹介されているプレゼン力を身に付ける方法は純粋に勉強になりました。
個人的に特に参考になった箇所は、次の2点です。
- 何よりも大事なのは、自分の「イイタイコト」(=メインメッセージ)を見つけること
そして、その「イイタイコト」を「広める」「深める」「選ぶ」というステップで磨く。
➡特に僕個人としては、プレゼン資料にせよ、ブログにせよ、あるテーマについて調べたことは全部盛り込みたいと思ってしまいがちなのですが、「選ぶ」という視点で自分が一番イイタイコトは何なのかを絞るということは、これから実践していきたいところです。 - プレゼンを「伝える」ために声を鍛える+場数を踏む
他人に強い印象を残すためには、「伝える力」が必要。そのために、声を鍛えるとともに、場数を踏んで人前で話すことに慣れなければならない。
➡僕自身は、滑舌が悪いと感じていることもあり、「伝える力」については普段から意識していました。本書を読み、またちょうどAudibleでも『話し方に自信がもてる声の磨き方』という本を聴いていたこともあり、これからも意識して訓練していかねばと改めて感じました。
『話し方に自信がもてる声の磨き方』の感想については、こちらで紹介しています。
まとめ
以上、『すべての子どもに「話す力」を 一人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』について紹介しました。
著者の竹内さんは、日本人が国際的にみても学力は高いにもかかわらず、「話す力」が劣っているためにビジネスの場で負け続けてしまうのではないかという危惧感から、「教育のラストワンマイル」として、「話す力」を高めるための活動を始められたそうです。
僕自身、就職活動のときなど自分自身のアピール力のなさを痛感したことがありますので、学生の方に向けてプレゼン授業を行うという竹内さん及びアルバ・エデュの活動はとても素晴らしいと感じました。今は募集していないようですが、プレゼン授業の講師として実際の授業に同行するという認定資格もあるそうで、個人的には関心を持っています(公式HP)。
以上の通り、本書は、子育て中の方だけでなく、プレゼン力を身に付けたいと考えている方や副業・ボランティア活動として何かに取り組みたいと考えている方にも役に立つ内容になっています。ご関心を持たれた方は、ぜひ本書あるいはアルバ・エデュのHPを見てみてください。
今回の記事が皆さんの参考になれば嬉しいです!
僕たち自身のこと、今までの読書記録については、こちらの記事もご覧ください!
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